東京で世界デザイン会議が1960年に開催され、未来社会に向けたデザインの可能性が議論された後、東京オリンピックでは日本人選手の活躍に加え、首都高速道路に代表される近未来的な東京の移動風景や、代々木体育館といった都市デザインに世界中の注目が集まることとなった。あれから半世紀を超えた今、私たちは東日本大震災を経て地域の人口減少や高齢化といった様々な社会問題に直面している。都市から社会へ、移動から情報へとデザインの射程が拡大を続けていく中、今デザインに何ができるだろうか。この会議では、都市、建築、情報、移動、社会基盤といった様々な分野を融合した社会デザインの実現に向けた議論を大きく展開したい。
東京デザイン会議「都市x情報x移動の未来を考える」
日 時 2014年11月3日 (月・祝) 13:30-17:00
会 場 東京大学工学部1号館15号教室
(東京都文京区本郷7-3-1)
プログラム
[挨 拶]桑原敏武(渋谷区長)
[第1部]都市の未来 Architecture in Networksー東京計画1960から考えるー
かつて丹下健三が構想した東京計画1960から半世紀以上が経過し、豊かな地形と世界有数のモビリティネットワークを有する東京を取り巻く環境は大きく変容を遂げた。中国鄭州をはじめ世界の様々な都市の将来ビジョンを構想し、そのアーバンデザインを今なお牽引しつづける磯崎新を迎え、渋谷のアーバンデザインを構想する内藤廣と妹島和世が、都市デザインの現場から東京のアーバンデザインについて議論する。
コーディネータ:羽藤英二(都市工学者)
1.都市を構想する 磯崎新(建築家)
2.都市をデザインする 内藤廣(建築家)
3.渋谷をデザインする 妹島和世(建築家)
4.座談:磯崎新x内藤廣x妹島和世
[第2部]情報の未来 東京デザインノートー東京から地域へー
東京の暮らしと移動を、デザイナーたちはどのように切り取り、編集していくのか。2020年の東京デザインノートと題したこのセッションでは、情報が変えていく暮らしと移動に焦点を当てて、東京に留まらない日本のデザインを考える。
1.東京の移動をデザインする 原研哉(デザイナー)
2.東京の情報をデザインする 田川欣哉(デザインエンジニア)
3.東京2020のデザインノート 深澤直人(プロダクトデザイナー)
[第3部]移動の未来 移動するまなさしー移動風景のリデザインー
江戸の都市計画は、平川を中心に始まるが、荒川・利根川水系河口部という地理的条件を背景に、舟運による物流ネットワークが、列島規模の海運網にも連絡することで世界有数の都市が発展していく契機となった。本セッションでは、江戸から東京へと時代が変わる中、鉄道と道路という二つのモビリティがかたちづくってきた東京のアーバンデザインと、オリンピックを契機とした2020年以降の東京のモビリティとその都市像について議論する。
コーディネータ:中谷日出(NHK解説委員)
1.東京オリンピック2020 廣瀬隆正(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会施設整備局 局長)
2.首都高速が変えた東京の風景 木暮深(首都高速道路株式会社 執行役員)
3.鉄道が変える都市デザイン 中野恒明(株式会社 アプル総合計画事務所 所長)
4.遅い交通の時代:東京から地域へ 羽藤英二
5.座談:内藤廣×深澤直人×羽藤英二
主 催 公益財団法人日本デザイン振興会、東京大学復興デザイン研究体
参加者数 約150名
スピーカー発言編集 杉山衛(編集工房なるる)
問い合わせ先 公益財団法人日本デザイン振興会 Tel. 03-6743-3777
併設展示「都市x情報x移動の未来を考える」
現在進行形で再構築が進む街、渋谷を一望できる空間で、磯崎新、内藤廣、羽藤英二の三氏が、それぞれの視点から渋谷ー東京ー日本の未来像を提示します。
会 期 2014年10月31日(金)-11月3日(月・祝) 11:00-19:00
会 場 渋谷ヒカリエ 11階 スカイロビー イベントスクエア
(東京都渋谷区渋谷2-21-1)
会場構成・展示デザイン 浅子佳英(インテリアデザイナー)