記憶に残る「文化競技」をオリンピックに
——2020年、オリンピックが東京で開催されることが決定しました。ところでどんなオリンピックにしたいですか?
——うーん、やっぱり記憶に残るものにしたいですね。
——でも、競技中はどこの国であっても同じような光景ですよね。日本で開催したという記憶はちゃんと残るのでしょうか?
——またオリンピック憲章では、スポーツと文化の融合という目標を掲げていますが、これは達成できているのでしょうか?
——開会式や閉会式は文化を、競技はスポーツを象徴していますが、両者はくっきりと分かれてしまっていて、融合していません。現在のオリンピックには、この2つの問題があげられます。
——そこで、私たちは新しく「文化競技」の設置を提案します。
——「文化競技」とは開催国によって種目が変わる競技です。東京大会を記念すべき第1回として、毎回その国の文化に根ざしたものを競技化します。そうすることでスポーツと文化の融合、その国らしさが出るオリンピックとなるのではないでしょうか。
世界初の「文化競技」は、忍術比べ!?
——そして6年後、日本で開催するのは……(拍子木・太鼓の音)……「忍者!」……(手拍子)。「手裏剣」「跳び石」「忍び足」の3種類の競技の合計点で競います。
——《実況》さて始まりました文化競技・忍者。第1種目は「手裏剣」。的に投げた2つの合計点を競います。慎重に的に狙いを定めます。打った! これはいい点数が期待されます。99点。満足気な表情です。
続いて第2種目は「跳び石」。さあ、一斉にスタートを切りました。滑り出しは順調です。おっと、ここで日本の山田選手が落ちたっ! 残念、失格です! フランス、トップでゴール!(歓声)
残す第3種目は「忍び足」です。いかに速く、いかに静かに走れるか、それが忍者に求められる力です。選手がなかなか前に進むことができない。走りたい。はやる気持ちを抑えます。なめくじのように歩みを進めた山田選手。ついにゴールラインを踏みました。世界記録。日本代表、ここで有終の美を飾りました。(歓声)
想像もつかない、日本ならではのオリンピックを
——このように「文化競技」では、文化とスポーツの融合が達成され、協議をとおして日本の文化を印象づけることができます。
——日本で開催するからには、想像もつかないようなオリンピックをしませんか? そうじゃないと東京でオリンピックを開催する意味がないですよね。
——日本の文化とスポーツが融合したという記憶は、2020年のその先も、ずっと残っていきます。
——ですから私たちは「文化競技」を提案します。
——「忍法!文化競技の術」。ご静聴、ありがとうございました。