千羽一郎[武蔵野美術大学 企画部法人企画室]
「東京デザイン2020」を、美術大学である武蔵野美術大学(ムサビ)で開催する意義とは何でしょうか。
オリンピック憲章にはオリンピズムの根本原則として、「文化や教育とスポーツを一体」とすることが謳われています。
そのために1912年のストックホルム大会から1948年のロンドン大会まで、正式種目として「芸術競技」が存在しました。その後大会開催に伴う文化プログラムへ移行し、「カルチュラル・オリンピアード」として展開、2012年のロンドン大会では、数々の大規模な文化イベントがイギリス全土で開催されています。
また、今回IOCに提出された東京招致委員会による立候補ファイルには、若手芸術家を支援するプログラムも明記されており、つまり美大は、東京オリンピックにおおいに関係がある、のです。
前回、1964年の東京オリンピックでは、20代・30代の若いデザイナーたちが活躍しました。6年後の東京オリンピックをどんなふうにしたいのか、いちばん聞いてみたいのは、未来を担う若いクリエイターたちの意見や主張ではないでしょうか。ここでは彼らを、ともにオリンピックに参加する「クリエイティブ・アスリート」と名づけました。そして、彼らの想いを発信する場をつくることが美大の使命であると考え、本日の開催に至りました。
本学にある8つのデザイン系学科から推薦された、8組の在学生と、第一線で活躍する35歳以下の7名の卒業生が、それぞれ5分と10分という短い時間ですが、2020年に向けてアートやデザインに何ができるかを語ります。「クリエイティブ・アスリート」たちの生の声をお聞きください。