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田川欣哉

田川欣哉[デザイン・エンジニア]

提案1「Tokyo Olympic Open Creative Process」
僕からはこの場に2つの提案を持ってきました。
1つ目が「Tokyo Olympic Open Creative Process」です。
2020年のオリンピックに向けて、デザインを含めていろんなことが進んでいくと思うのですが、いったいどこで、どんな数のクリエイティブが、誰によってどんなスピードで、進んでいくのか。当事者にとっての僕らにも、全体感が分かりません。
そこで1つ目の提案は、オリンピックに向かう様々なクリエイティブのプロジェクトを、ウェブ上のデータベースとして、みんなで共有しましょうというものです。
ローカルなものでも、パブリックなものでもいいのです。ボランティアで進んでいるクリエイティブにも、これから素晴らしいものが出てくると思います。それらを全部、ウェブに登録してしまいましょう。どんなデザイナーが、どこでどんなデザインをやっているか。それを簡単に検索できるようにして、そこにディスカッションの場所を設けて議論をしましょう。
僕らが持っている2020年に向けたテクノロジーを使って、今までと違ったオープンなクリエイティブのスタイルを発見できないだろうかという提言です。

提案2「Tokyo Olympic Open Creative Assets」
2つ目は「Tokyo Olympic Open Creative Assets」という提案です。 クリエイティブのプロセスの最終結果、ロゴマーク、アイデンティティ、ファニチャーのデザイン、都市計画、たくさんの成果がプロフェッショナルによってつくられていきます。
今日登壇される皆さんへの提案でもあるのですが、通常は、デザインや技術の仕事をしていると守秘義務がありますから、プロジェクトの内容をおおっぴらにオープンにすることはできません。ですが、今回はクリエイティブのプロセスでつくられる全てのアウトプット、また途中でつくられるスケッチやメモなどを、皆でシェアする仕組みをつくりませんか。
これは自分のつくったものを「みんなのものにしよう」という、自発的に参加するタイプのものになるでしょう。オリンピックは文化と平和の祭典ですから、著作権、工業所有権を放棄して、エネルギーとお金、成果物としてできたもの、その成果によってできたものを、人類の共有財にしてしまおうという提案です。
デザイナーに限らず、企業などがオリンピックに向けて作るものをすべて開放するのはどうでしょう。その仕組みに賛同者を募って、皆が自由にダウンロードできるようにする提案です。

1つ目は、みんなでプロセスを見るもの。
2つ目は、共有するのが目的で、教育的な意味合いが大きいものです。

デザイン資産を次の世代につなぐ仕組みを東京から
東京オリンピックの後にも、僕らは若手のデザイナーを育てていくことになります。東京オリンピックで素晴らしい活躍をされる皆さんは、すでに確立された立場をお持ちだと思います。その素晴らしいデザイナーたちの一次情報である、生のメモ、スケッチ、図面などを全部スキャンして、データとしてそのままインターネットでシェアをするイメージです。

From TOOCA(Tokyo Olympic Open Creative Assets) to OOCA(Olympic Open Creative Assets)

オリンピックでつくられたものを、次の世代に繋げていく。その思想を東京から発信しましょう。しっかりしたかたちで成功した暁には、次の2024年にオリンピックが開かれる都市に、同じやり方でどうでしょう、と提案してみましょう。
それをもって、最初に始めた都市が東京であるというクリエイティブの姿勢を世界に示せたらよいのではないかと思います。